陰翳礼讃

陰翳礼讃

陰翳礼讃

影に魅せられた二人の男。
その男たちの道が、時代を超えて交わった一冊。

私は、雑然としたカフェでこの本を開いた。
そこには東洋人が感じるであろう美があった。
包装は現代風だが、中身からは時代を超えて受け継がれる普遍的な美を感じた。

本を読み終えカフェを出たら、既に夜だった。
家に帰る道すがら、時折吹く夜風を楽しんだ。

自宅に着いてからは、夜ではあるが敢えてカーテンを開け、外から差し込む僅かな光と、部屋の隅に生まれる無気味な静けさを楽しんだ。

“まあどう云う工合になるか、試しに電燈を消してみることだ──”

著:谷崎 潤一郎, 写真:大川 裕弘
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