ゲーミングコントローラーのデッドゾーンとは

ゲーミングコントローラーのデッドゾーンとは

FPS系の作品をコントローラーで遊ぶ場合に重要となる設定項目「デッドゾーン」。初めてFPS系ゲームをコントローラーでやる場合には値をどうすれば良いか悩むことがあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、コントローラーのデッドゾーンという設定項目について解説していきます。

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ゲーミングコントローラーのデッドゾーンとは

ゲーミングコントローラーにおけるデッドゾーンとはスティックの遊び幅のことを指します。デッドゾーンで指定した数値に合わせて、スティックの反応範囲が変わります。よく車のハンドルに例えられたりします。

デッドゾーンはスティックごとに調整可能である場合が多く、移動用のスティックと視点操作用のスティックで個々に設定する必要があります。各スティックのデッドゾーンの値を小さく取ると、遊び幅が減り、スティック操作の遅延が減ります。値を大きく取ると、遊び幅が増え、スティック操作の遅延が生じます。

何故ゲーミングコントローラーにはデッドゾーンという設定項目があるのか

平時のスティックは常にX、Y軸座標上において(0,0)を取ることが理想です。しかし、機械側の状態(スティックの組み込み具合、ハード面における感度ようはスティックの固さなど)が個々の機器ごとに僅かに異なるため、平時のスティックは理想値の近似値を取ります。これはコントローラーの製造の違い(種類が異なるレベルの大きな違いや、製造段階で無視される僅かな誤差により生じるレベルのもの)や、製造後に様々な要因で生じる機械的な磨耗などによっても変化します。

製造段階で無視されるレベルの誤差であったとしても、そのままではゲームプレイに影響が生じる(高度な操作が求められるゲームにおいてのみ)ような問題を抱えたコントローラーは、俗に、外れのコントローラーと言わることがあります。

一度デッドゾーンの値をゲーム内設定にて最小値(0または0,0)に設定してみてください。お使いのコントローラーによってはゲーム内の視点が勝手に大きく移動する場合があります(この現象をスティックドリフトという)。視点が大きく移動した場合には残念ですが外れのコントローラーという扱いになります。なお、ほとんどのコントローラーは勝手に視点が動きます。これは前述した理想値の近似値を取る仕様によるものです。

ゲーミングコントローラーのスティックというものは非常に繊細な部位であるため、僅かな誤差は製造の段階においては無視されます。外れを引いた場合には不良品と思われるかもしれませんがそうではなく、元々そういう仕様で製造されている機械であり、あくまで製品として成り立つレベルは満たしています。

しかし、高度な操作が求められるゲームではこの僅かな違いが影響する可能性もあり、そのための解決策としてゲーミングコントローラーでの繊細な操作が求められるFPS系のゲームでは、ハード側での調整ではなくソフト側(ゲーム内設定)にて調整が可能なようになっています。その役目を果たす設定項目がデッドゾーンというわけです。

  • 近似値はスティックを傾け中央に戻した際に再生成される。そのためばらつきが生じる。このばらつきを抑えるためにデッドゾーンを実装する。
  • 遊び幅と前述しましたがより最もらしい言葉で説明すると、デッドゾーンとは理想値(0,0)より任意に指定する、操作無効範囲のこと。操作とは自動を含む。

デッドゾーンのおすすめ設定

ではデッドゾーンの設定はどのようにすればいいのか。結論としましては、お使いのゲーミングコントローラーに合わせて可能な限り数値を下げることを推奨します。具体的に説明します。

デッドゾーンの数値が小さいほど遅延は減少します。数値が大きいほど遅延が生じます。基本的にFPS系のゲームでハイパフォーマンスを出すためには可能な限り遅延を減少させる必要があります。そのため、デッドゾーンの値を大きく取り遅延を生じさせるのではなく、可能な限りデッドゾーンの値は小さくする必要があります。また、デッドゾーンの値を大きく取り遊び幅を設けるということは、それだけスティックの使用可能範囲を狭めるということです。よってデッドゾーンの値は可能な限り小さくすることが重要です。なおゲーム側の設定における理想値は0です(ただコントローラーの仕様上難しい)。

基準をどうするかですが、基本的には、ゲーム内の視点が勝手に移動しない数値まで下げるようにしましょう。

勝手に動かない数値が意外と大きく遅延が不安という方は、一、二段階程数値を下げても良いかもしれません。すると視点が若干動いてしまうかもしれませんが、ごく僅かな動きであれば近中距離のエイムにはそれほど影響を及ぼさない場合があります。これは近似値の再生成で生じるばらつきの内、デッドゾーン外にはみ出るものが少ないためです。しかし、少なからずはみ出ている値があるため、SRのような遠距離武器で長距離を狙う場合には勝手に視点が引っ張られることで多少の影響は出る場合もあります。

大当たりのゲーミングコントローラーというものはなかなか希少であるため、一般的にはデッドゾーンの値はある程度は妥協しなければなりません(もしくは人力で全てを補うか)。

なお、コントローラーを使用してFPSの競技シーンで活躍するプロ選手の中には、デッドゾーンの値を0にしている人もいます。これはデッドゾーンによる遅延を嫌っての設定です。またFPSのタイトルによってはスティックが移動しているほどエイムアシストが強くなる場合があります。デッドゾーンの値を0にする理由にはこれも含まれているでしょう。

デッドゾーンの設定数値に理想はあっても正解はないと思います。最終的にはご自身に適した値、ご自身が現時点で使用しているコントローラーに合わせた値を見つけるのが一番だと考えます。

繊細なエイムが苦手な方へ

私は普段「Xbox ワイヤレスコントローラー + USB-C® ケーブル」を使用してFPS系のゲームを遊ぶのですが、このゲーミングコントローラーの上位モデルに「Xbox Elite ワイヤレスコントローラー シリーズ 2」というものがあります。

WindowsやXbox、Androidなどで使えるコントローラーなのですが、これにはスティックを倒す際の硬さをハード面で調整できるという特徴があります。このコントローラーでもスティックの当たり外れはありますが、スティック自体を自分好みに調整可能であるため、デッドゾーンの数値はそれほどシビアに設定しなくても良いように思えます。若干視点が動いたとしても、繊細なエイムができる環境さえ整っていれば問題はほぼ無いというわけです。

どうしてもデッドゾーンが気になる、当たり外れに極力左右されたくないという場合には、このようなコントローラーを検討されるのも良いかもしれません。

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